認知症患者の家族を抱えた住まいは

最近の我が家は、以前と比べると様子が変わってきました。まず、スイッチで電源をオンオフするシーリングライトですが、玄関を入ってすぐの部屋と、キッチン部分に取り付けたシーリングライトは、スイッチを入れても点かないようにしてあります。また、洗面化粧台はコンセントから電源を取り、電気が付く仕組みになっていますが、これも夜になるとコンセントを抜き、スイッチを入れても点かないようにしてあります。なぜこんなことをしているかというと、我が家にはアルツハイマー型認知症を患う父がいるからです。認知症患者というのは、夜間になると不安になるとみえ、せん妄という症状が起こってきます。ありもしないものや、いもしない人が見えると言い出すのです。
霊感が強いのとは違い、病気によって健常者には見えない物が見えると言うのですが、その不安感があるせいか、夜間には家中の電気をつけて回ります。そのため、電気が点かなくても支障がない部屋や場所は、あえて点かないようにしています。こうした状態の住まいは、普通の家族にとっては非常に不便な面も多々あるのですが、つけっぱなしの電気代も気になることから、できる限りの対策を採ることにしています。認知症家族を家で、家族だけで面倒を見ることの大変さを日々かみしめながら、住まいもそれに合わせて変えられる所は変えていかないと、夜間に煌々と電気のともる家となり、隣近所からも不思議に思われるのではないかと思っています。
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