普通でありながら穏やかな住まいにするには

住まいに対する地震への備えを考える 我が家は以前、商売をしていたこともあって、常に玄関先にお客さんがこないかを気にする家でした。生まれた時からそういう環境でしたので、それが普通だと思って育ってきましたが、姉が結婚して家を買い、遊びに行くたびに、ウチは普通ではないのだなと感じるようになりました。姉の家はいったん入れば、誰かがしょっちゅう来るわけではないため、自然と落ち着けます。姉が可愛いものやきれいな物をあちこちに飾っていたため、家の中そのものが楽しい感じに仕上がっていたのは、姉も昔から、家をこんな風にしたいと考えていたからだと言います。玄関先を気にしないでテーブルにつき、お茶を飲んでいられることがこんなに心地いいとは思わなかったと実感しました。

今では我が家も商売をたたみ、普通の家になりましたが、その矢先、父が認知症になり、平穏な住まいはまた延期になりました。いつか姉の家のように、なぜだかわからないけれど、どこかのんびりした時間が流れていると感じる住まいになる日が来るのだろうかと思いながら過ごしている毎日では、いつかそういう住まいになると思い、実現したいことをあれこれ考えながら過ごしていくことが、今、もっとも大切なことなのだろうと思います。今の状況を否定するのではなく、丸ごと受け入れて肯定することで、将来、ずっと思い描いてきた居心地のいい空間での暮らしが実現するような気がします。それもまた、将来の楽しみにできたらいいのではないでしょうか。

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